2012 11月 01日

クラウドゲート その2

クラウドゲートついて、考察の続きを・・・

パーラーの入り口の構造も酪農家によって様々。
牛が入る幅だけの扉が開閉するだけの入り口、パーラーとホールディングエリアがある意味遮断された感じのもだったり、
我が家は搾乳時、パーラーとホールディングエリアの隔壁が全面開放されるので、待機している牛たちがパーラーの中で何が起きているのか様子を常に伺うことが出来る開放型の入り口になっている。

上の画像はホールディングエリアからみたパーラーの入り口
パーラーは6頭ダブルのヘリングボーン
しゃちょーがこの開放型を選んだのは、牛達が中で搾乳されている牛たちを見るとこで、搾乳されることの事前学習やパーラーの中へ入る不安やストレスを軽減させるためだったらしい。特に初産牛にとってはかなり有効とのこと。
牛が常に中の様子を見ているので 搾乳者も自ずと牛に見られているので「ヘタ」なことが出来ない。
搾乳者である私は 牛達に「イイひと」と擦り込みをしているのですから、大声を出したり、叩いたりなど、信頼を裏切る行動が出来ないのです。

 

「その1」での4タイプについて詳細を・・・ ぐふっ

 

☆1 ぎゅーぎゅー詰め大好き、せっかちなひと

クラウドゲートは本来、牛をパーラーに入れるための補助道具。
なのに・・・パーラーの中に定数の頭数が入っているのにも関わらず、中に入れるための目的以外の時にこのゲートを動かし常にぎゅーぎゅー詰めにしておきたいタイプは きっとこうする事で次、中に牛を入れる時に少しでも早く牛が中に入るのでは?と思っているに違いない。気持ちは分からないでも無いけれど・・・きっと搾乳中ヒマなんでしょうね!

これは大きな間違い
パーラーの入り口は牛1頭分、その狭い入り口にぎゅうぎゅう詰めにされたら、数頭の牛の肩がちょうどスクラムを組んだようになってしまい、一頭も入れない状態になってしまうことがしばしば。これにより、すったもんだして返って時間が掛かってしまう。地下鉄などのラッシュ時間を思い出して欲しいわ。列車のドアの入り口に大勢の人が一気に押し寄せているのと同じ。 夏場などはホールディングエリアにも扇風機は回されてはいるものの こんな状態では暑熱対策もあったもんじゃないないでしょう。この時のヒートストレスといったら、かなりなものだと思うわ。

 

☆2 ブザーとゲートを同時操作するS的なひと

怖いですね~ 牛は恐怖心いっぱい ストレス最高潮でしょうね。出るはずの乳も出なくなってしまいそうです。
こういうゲート操作はしてはいけません。基本、牛にとってはゲートもブザーも嫌いなんですから。
同時操作すると、牛はぎゅーぎゅー詰めの中、無理矢理、それも慌てて前に進もうとする、慌てるものだから前にめったり、脚を滑らせてしまうことが急激に増える。もう絶対にやっちゃダメ!
たまに他の牧場の搾乳時間に出くわすことがあり、チラ見したら ボッコ(棒)を持って牛の脚をコツコツ叩きながらパーラー内を誘導している牧場があった・・・これもかなりS的です。

 

☆3 体力自慢の体育会系のひと

ブザーもゲートもまどろっこしいらしく、とにかく毎回ホールディングエリアに出て後ろから常に牛を追う元気なひとがいる。元気なんだなぁ~、階段・・・登るの苦じゃないんだぁ・・・とつい内心笑い眺めてしまう。
こんな事を続けていると ひとに追われないとパーラーに入って来なくなってしまう現象が起きる。
ゲートもブザーも意味が無いし、搾乳時間のロス。 牛と人間関係も悪くなる。

 

☆4 大声の威圧系のひと

こういうタイプは、見ててものすごく見苦しいし聞き苦しい。っていうか、牛が可哀想・・・そんなに大声出さなくてもちゃんと入ってくるのに・・・ とにかく、牛を入れるのも出すのも声を張り上げないと気が済まないひとっているんですよね・・・ 大声だすことで牛がスムーズに動くと思っているんでしょうか?

ざーっとこんなところでしょうか・・・
私もこの4タイプの人格 正直、自分自身がかつてやってきたことばかりです。
フリーストール牛舎に移行して、パーラーで搾乳し始めて13年
最初はパーラーに牛をどのように入れたらいいものか全く分からなかった。とにかく早くパーラーの中に入れたいという一心で、ホールディングエリアに出て、大声出して牛を追って入れたり、ゲートとブザーの絶妙なタイミングの操作が分からなかったり、毎日毎日ある意味、牛もひとも格闘だった。

でも搾乳者が私ひとりということが試行錯誤をするうえでいい環境だったかもしれない。

搾乳者としての行動の取り方でどれだけ 牛にストレスをかけずにスムーズにパーラーに誘導するか挑戦してみたくなった。

以後、牛との信頼関係構築のため忍耐の日々が続いた。

◎大声はいかなる時も出さない(声のトーンを荒げない)、黙って黙々と悠然と搾乳をしよう。
◎ホールディングエリアには極力出て行かない。
◎ゲートはなくべく動かさない。常に待機中の牛がぎゅーぎゅー詰めにならないように牛同士がなるべく接触しないぐらいゆとりあるスペースを取り、牛が自分のペースで前に進めるように配慮する。なるだけブザーを鳴らすだけで牛の意思で前に歩かせるように仕向ける努力をしよう。
◎パーラーに牛を入れる事だけに意識を集中しないようにしよう。

などとたくさんの自分の努力目標をもって搾乳に挑んだ。
随分と時間が掛かったけれど 成果は見えた。

今ではゲートを最初に降ろした位置からそのままの状態の時もあるぐらい
いつまにか入室ゲートを開放しておくと牛がゆったりと入ってくる 入ってくるまでちょっと待つのがコツ
ゲートを開放したらすぐにブザーやゲートを動かすのではなく、自主的に入るひと呼吸待つ気持ちが必要なみたい。
牛が流れ始めたらブザーもゲートも動かしてはいけない、 ブザーは流れが止まったのを確認してから操作する。ブザーでも牛に動きが見られない時、ゲートを次の手段で動かすようにしている。

とは言え、牛にも色々な牛がいて、わざと後続の牛を入れまいと入り口付近を占拠して邪魔をする意地悪な牛がいたり、脚が痛い牛などはなかなか待っても入って来ない・・・
そういうときは仕方が無い おしりをポンポンと軽く叩きながら誘導するしかない。

あと・・・泌乳前期グループは泌乳後期グループに比べると俄然パーラーの入室がスムーズ、やはり 乳が張っていて早く搾乳して貰いたいという心境なんでしょうか?それに比べ後期グループはマッタリと呑気です。妊娠牛ばかりですから動きたくない気持ちも分かります。よってブザーやゲートを動かす割合が多くなるなぁ。

 

搾乳は早く終わらすことを目標にしてはいけない。
搾乳は「金」なる一番近い作業であることを意識すべきで、早く終わらすやっつけ仕事であってはならないということ。
牛にストレス無くスムーズに作業することが大切であることを再認識しなくてはならないと思う。

「黙々と悠然と・・・・」 これが私の中でのキーポイント

搾乳後のお出かけとかの予定があるとついつい慌ただしい行動に出がち・・・
そんなときは余裕を持って早く搾乳開始して あとは黙々と悠然と搾乳できる搾乳者の心構えが必要ね~

 

ともあれ、搾乳者の態度ひとつ 牛は何でも察知するわけで・・・
いつもと同じように搾乳しているつもりでも全くスムーズじゃない時がある。私の心の乱れを察知しているんでしょうか?
いつも平常心を維持することが牛との信頼関係を構築する上で大切なのかもしれませんね~

 

上の画像は搾乳待機中のホールディングエリアの牛の様子
ゲートははるか後方にあり、手前に居る牛はすべて自分の意思で前に集まっている。
後方には脚の痛い牛や分娩したばかりの初産牛が点在している様子が伺える。

よって搾乳をスムーズにしようと思えば 牛の蹄の健康管理は非常に大切ということですね。