2018 9月 15日

酪農に近道なし

震災による停電から1週間がたった。
長く思われた一週間だったように感じる。

僅かに丸二日間の停電の影響は、牛にはあまりにも大きかった。

停電により搾乳時間が二日間の間大幅にずれた。
これにより、搾乳されないというストレスによる乳房炎の発症と体細胞の急上昇が顕著に見られた。
停電の朝は生乳の集荷日に当たっていたが、朝の搾乳が出来たのは通常の10時間遅れ、集乳車が来たのは夕方薄暗くなったころ。
その日の生乳の検査結果を見ると、さすがに10時間も遅れて搾乳しただけあって乳量は一時的に多かったけれど、体細胞は通常の2倍以上の数値だった。
こんな数値しばらく見たことがない。

翌停電二日目から2頭程、顕著な乳房炎発症。
仕方がないわ・・・・この頭数で済んでまだ良かったと思いながら2頭を治療しつつ、停電中の発電機により不定期な時間に搾乳をしていた。

停電明けの8日は再び集乳日。
この日は結局 通常なら4回分の搾乳した生乳があるはずでしたが、発電機の都合上、二日間で3回のみの搾乳での集乳となった。
出荷乳量を見て、愕然。通常のおよそ半分強。

そうです、停電中の餌が粗飼料のみでしたので、減る覚悟はしていたけれど・・・余りにも悲しすぎるほどの乳量。
でも、廃棄にならなかったから良しとしなくては、と気を取り直し、通常のサイクルで仕事に戻れたことに安堵していた。

問題はこれからでした。

8日からは停電も復旧し、餌も通常通りに混ぜての給与が始まった。

これが大問題の行動だったのです。

丸二日、粗飼料のみの低エネルギー食から、一気に乳量の復帰を望んで停電前の高エネルギー食を給与したため、牛の胃はとんでもなくビックリしたようで、
便の性状が一気に水様化してしまい、全頭四胃変位になるのではという不安と、乳房炎牛は日増しに増加。牛群の15%が乳房炎で治療する羽目に。
分娩直後の牛も一頭四胃変位で昨日手術。

停電の落ち込みを早く戻したいという一心でとってしまったこの行為。

1月からずーっと少しずつ牛の様子を見ながら、コンサル獣医師と餌を微調整しながらやっとここまで来た。
牛の胃の中はとても繊細。大きな変化を嫌う胃なのです。

そんなことわかっていたはずなのに・・・

たった二日だったから・・・・という思いが、とんでもない結果と今までの苦労が水の泡。[ふりだし」に強制送還された思いです。

今日、コンサル獣医師の定期訪問があり、現状に愕然と・・・・

獣医師との話で教訓を得た。

「酪農に近道なし!」

 

この教訓を胸に、また「ふりだし」から前へ進むことにしました。

改めて、外見とは大違いな繊細な牛であるということを肝に銘じて・・・
この問題行動の影響は、この先、繁殖へも大きく影を落とす結果になるかと・・・ 
何年、酪農やっているんだかね・・・

震災ではなく、畜主による人災だわ。

やっと昨日辺りから便の性状も回復してきた。お腹のバクテリアが変化に追いついて来たのかも。