2019 10月 29日

ご褒美旅行 御殿場編

翌朝(25日)の東京は激しい雨。
隣の千葉県は再びの豪雨で、広範囲に甚大なる被害のニュースが報道されていた。
そんな中、ご褒美旅行だなんて言って、遊びに出かけようとしている自分が心苦しかった。
雨の中、駅までタクシーでと思ったが、全く捕まらない。仕方なく雨の中バス停まで歩いて待っていた。
そこへ偶然、空車が信号で止まった。お陰ですぐに飛び乗ることが出来、意外とツイている私。
普段は地震、台風などの影響を受けやすい都心は住むところではないと思っている自分。しかし、遊びに来ているときは、そんなことは微塵も考えていない愚かな自分がいる(苦笑)
定刻、川崎駅からJRで御殿場駅に向かう。
御殿場に着くころには雨が止めばいいなぁ~なんて呑気に思いながら、ぼんやりと雫が流れる窓の奥の景色を眺めていた。
まだ紅葉の季節には程遠い山々が連なう。

9時半、御殿場到着。やはり、相変わらず雨強し。直ぐタクシーに乗り込み、とらや工房へ向かう。ドライバーさん、とても気さくな方で御殿場の面白い観光事情など話してくれたりして、何だか楽しげな旅の始まり。わずか10分程で到着。開店までまだ20分。雨の中待つしかない。

でもでも、工房までは散策路があって、雨の竹林散策も乙なもの。

大きな立派な山門をくぐって・・・


奥へ進んで行くと、東屋。ベンチもあり雨宿り。
東屋からは工房が見える。


週末ともなると、開店前はこの辺りから長い行列が出来るとのこと。さすがに今日は平日のドシャ降り。先客は私の前にひとりだけ。


庭に向かって湾曲した建物。何だか趣きがあります。工房の前庭には梅林


お店の入り口手前には職人さんが作業されている様子がガラス越しに見られる。栗きんとん、さらしに包んで作ってたわ、傍らでとらや工房限定のどら焼きも♪


店の入り口前に、店内でお茶する方は、まずは、ひらがなのサイコロをもって入店し、奥の飲食スペースのテーブルにサイコロを置いて席取りをしてから、お菓子の注文をするんです。
私は「ね」のサイコロを選んだ。今日まで念には念を入れて旅行計画を立てて来ましたからね(笑)



選んだお菓子はもちろん「どら焼き」白あんのものと、10月限定の栗の葉に包まれた「栗餅」
煎茶はお替り自由。どら焼き、普段 柔らかいふかふかの生地のどら焼きを食べているので、実にキメが細かいしっかりとした固めのどら焼きの皮が新鮮に思えた。
表面の焼き印の香ばしさが後を引きます。 栗餅、栗丸ごと一個を餡で包み、半づきの餅で覆ってある。コレがまた美味。買って帰りたくても消費期限は当日のみ、どら焼きで翌日まで。お土産にはどれも買って帰られないものばかりです。お店に来た人だけが味わえるお菓子ということなのですね。
こんな雨の中でも、結構のひとが足を運んで来ています。

一服して、工房からすぐのところに、「東山旧岸邸」があります。そこを見学
旧岸邸は第56・57代内閣総理大臣を務めた岸信介が1969年に建てられ、晩年の17年間を過ごした自邸。この建物を建築したのが、建築家 吉田五十八(よしだ いそや)。岸邸は彼の晩年の作品として、伝統的な数寄屋建築と現代建築の融合を図った近代数寄屋建築の建築美学の到達点として岸邸は建てられたそうです。


入館料を払い、中に入るとにこやかに迎えてくれたボランティアガイドさん。年の頃は私と同じぐらいかと。
今日は雨なので、今日最初のお客さんですと、11時にもなって初めてのお客さんだなんてことは、非常に珍しいとのことでした。
ガイドさんにどこからお越しですか?と尋ねられたので、北海道からと答えると・・・・ガイドさん「今年の2月に北海道旅行したんですよ!」と
私、「北海道はどこに行かれたのですか?」と尋ねてみると、なーんと「紋別です」と答えが返って来るではありませんか!!!
「いやいや、その紋別から今日ここへ来ているの!」と余りの偶然さに、私たち、飛び上がる勢いで、いきなりハイテンションからのお友達になった気分♪
御殿場まで来て、こんな偶然ってあり得るのね。「カニのオブジェの前で写真撮り、流氷も見れたしホワイトアウトのような地吹雪も経験しました」と。
このボランティアガイドさん、週に3日しかガイドに来ていないとかで、これまたレアな出会いでした。旅って、ホント面白いわ。



お陰で、楽しくガイドして頂き、東山旧岸邸の建築美学を学びました。
岸信介元首相は60歳の頃、3年に渡り首相を務めた。現在の96・97代目の安倍総理の祖父に当たる。
今から約50年ほど前に建てられたのですが、ガイドさんの説明に何もかもが「へぇ~」としか言いようのない、伝統と近代の建築美を融合させた細部に渡る拘りを知ることが出来た。
50年も前にすでに全室セントラルヒーティングシステムがあり、暖房機器がすべて和の中に隠され、部屋の空間に違和感がない。全室からインターホンで女中さんが待機している厨房に知らせれるようになっているし、台所との間には防火扉も設置、和室が広く見えるようにと畳の縁は細く、室内の木調と合わせてあったり、リビングのペルシャ絨毯は当時のままのもので、この一枚の絨毯で庶民の一軒家が建つほどお値段だそう。先日の290億の費用が掛かったとされる白幽林道の黄金道路に引き続き、今回は黄金絨毯の上に私は立っている。何だか、金運上がりそうです♪
すだれは50年前にすでにアルミ製。床面は寄木細工が施されるなど、当時の伝統的な贅を尽くした創りと言える。


何といってもこの食堂が素晴らしい。
押込戸を利用して、障子・ガラス戸・網戸・雨戸を壁戸袋にすべてを引き込んで庭側が全面開放になるの。
庭園から植物から漂う何とも言えぬ生を纏った空気が流れ込み、鳥のさえずり、小川のせせらぎを感じられる食堂は素敵でした。

まだまだたくさんの岸邸の建築美学について、説明頂きましたがとても書ききれません。

この東山旧岸邸は、2003年に御殿場市に寄贈され、2009年より虎屋のグループ会社である(株)虎玄が指定管理者として管理運営しているそうなんです。

一時間程の見学を終え、山門をくぐり、再びタクシーで御殿場駅に向かい、今日のお宿のある修善寺へ再び電車を2回乗り継いで向かう。
僅か御殿場滞在3時間の間に2度タクシーを乗ったのですが、御殿場のタクシー運転手はキャラが濃いです。が、とっても楽しかった!
知らない土地で見ず知らずのひととの会話は、心満ちますね。

雨は相変わらずの雨・・・・

修善寺編はまた後日に