2019 10月 31日

ご褒美旅行 オーベルジュ編


お部屋は実にシンプル。華美なところは一切ないけれど、とても上質なセミダブルのツイン。
窓からは山のすそ野に広がる夜景が垣間見える。
「フェリス」とはスペイン語で「幸せ」を意味する言葉。ルームナンバーもスペイン語表示だった。
私のルームナンバーは「2」を表す「DOS」。

午後6時半、ディナー開始時刻。少し緊張しつつダイニングへ向かう。

ダイニングは5テーブルのみ。しかもキッチンとダイニングが一体化しているの。ゲストの後ろ側がシェフが腕を振るうキッチンとなっている。
きっとゲストの食の進み具合や表情を見極めながら、料理をしているに違いない。
ダイニングに踏み入れると、全面ガラス窓に驚き、眼下に広がる街の夜景が飛び込んでくる。雨にもかかわらず夜景が綺麗だった。この夜景がこれから始まるディナーの最高の演出だと思えた。
私が予約したお部屋は一番グレードの低いお部屋だった。もし、5組満室だと、テーブルは窓側から2列目となったはず。でも、運が良かったのか今日は3組ということで、窓側の席に就くことが出来たようです。私、やっぱりツイています。
実は、ここへは末息子も同行してきました。 昨年は東京で従弟のフレンチのお店にも同行。なぜか彼だけはいつも高級な食事にありつけるという運をもっているようです(笑)お陰で私の懐はいつも痛いめにあうのですが。ご褒美旅行、今回に限り、ひとりディナーも寂しいのでね。
3組のゲストがほぼ同時にダイニングに・・・シェフに「よろしくお願いいたします」と一礼して席に就く。
70歳前後のご夫婦、50~60歳ぐらいの女性ふたり、そして私たち親子の3組。


夜景が綺麗に見えるようにとの配慮でしょうか、室内の照明はかなり暗め。テーブルの上のスポットライトだけが明るい。
ステキに折られたナプキン。ワイングラス越しに映る夜景がステキ。

食前酒にスパークリング。
黒オリーブの中にチーズを詰めたピンチョス。

これから13皿のお料理が始まります。4種のペアリングワインと共に・・・
何だか、背筋が伸びます。

オーナーシェフ自ら木箱を運んできて、テーブル中央に置く。そして・・・・引き出しが開けられ、中から8種類ものピンチョス。
それは、まるで絵具箱を開け、パレットに模したお皿に、お料理が絵具のごとく盛り付けられているかのようです。こんなお料理の演出初めて♪ 
最初からこんな演出に、この後どんなことが待っているのかしらと期待が益々溢れてしまう。


すべてのお料理は載せきれませんので抜粋で。


この野菜プレートにはビックリ。
一番左端が生トマト全部種類が違う。中央列は湯で野菜、右列は焼き野菜が並び、13種類のソースが点在。
上にはハーブとエディブルフラワーが贅沢に散りばめられた、まるでアレンジメントのような一皿。
過去にスミレとナスタチームの花ぐらいしか食したことがなかったけれど、ランやバラ、キンギョソウのなど多種多様なエディブルフラワーに感動。
特にラン系の花びらはパリパリしていて、とてもいい食感だった。


赤魚を三種の調理法で盛り付けられ一品
グリル、スチーム、ソテーで料理され、ホウレンソウのソースと岩ノリ。 岩ノリがいい仕事してます。ソテーが一番好きだった。


ガスパチョ
トマトの冷製スープなのですが、白い泡もトマトから出来ているそう。これがまたスゴク美味しくて驚く。ガスパチョって今までにそれほど美味しく感じたことがなかったのですが、これは唸っちゃうほど美味しかった。また、添えられているスプーンの形もユニークでグラスにフィット。シェフの遊び心と感性が食器のチョイスにも表れてします。
ほとんどが白いお皿ばかりなのですが、お皿の種類や形状がお料理によってすべて違います。聞けば、出されるお料理に2回と同じ食器は使わないというコンセプトをもっているようです。
カトラリーも取り換えられるたびに違うの。

食事が中盤を迎えた午後9時過ぎ、夜景の明かりが段々消えて行くのを感じた。
どうしちゃったのか?そのうち、真っ暗に。息子と下界は停電になってしまったのだろうか?って、でもここは電気付いているし・・・と不安に思ってスタッフさんに聞いてみた。
夜景が見えなくなってしまったのは停電なのですか?と尋ねると、「修善寺は9時を過ぎると消灯するんです」と・・・・
私たちビックリ顔をしていると・・・スタッフさん「私、嘘、言いました!」と笑うのです。「ここは山の上なので、時々雲海が広がって明かりが見えなくなるだけなんですよ」と教えてくれた。
なかなか、面白いスタッフさんです。一気に和ませてくれました。 そうこうしているうちに雲が晴れ、再び綺麗な夜景が戻って来た。


本日のメインともいえる、イベリコ豚のグリル。
シェフが焼きあがったばかりのイベリコ豚の大きな塊を運んで来てくれ、見せてくれた。これまでに10皿の料理が出せれて来たので、どのくらい食べられるか確認するために。
私たち、たくさん食べられます!ってにこやかに答えた。
すぐに切り分けて持ってきてくれ、テーブルの上で生わさびをあらびきに擦りおろしトッピングしてくれたのです。
イベリコ豚について、少しシェフが説明してくれた。どんぐりしか食べたことのない純粋なイベリコ豚を輸入しているそう、それも現地に行って特定の養豚農家さんの豚だけ、しかも左肩のみだけに拘って入手するらしいです。どうして左肩のみなんでしょう? シェフ曰く、豚にも利き腕があるそうで、どうしても右肩はストレスが掛かるらしいのです。なのでストレスの少ない左肩だけに拘るそう。
「俺ってある意味変態なんです!」と笑って話してくれた。
そんな面白いお話を聞いて、さっそくアツアツのイベリコ豚のわさび添え頂きました。 イベリコ豚なんて、生ハムで少ししか食したことがないので、こんなに贅沢に食べたのは初めて。
これが豚肉の肩なの?というほど、ジューシーで柔らかくて生わさびが合う!!!顔を覆いたくなるぐらい美味しいです。この写真ではその美味しさ伝わらないわね(笑)


ワインは終始スペイン産。白と赤が2杯づつのペアリング。
どれも個性があって、美味しかったし、特に最後の1杯の赤はイベリコ豚によく合っていた。

お肉料理はイベリコ豚の他に、軍鶏、イノシシ、牛タンも出され、軍鶏もイノシシも初めて。イノシシは繊維がギューっと詰まっているという感じの食感でしたね。カットが小さくてあっという間に喉を通り過ぎてしまうので良く味わえなかったけどね。そう、私、犬食いなの(笑)


コースの中ではパンは無かったので、意外と13皿のお料理はお腹に納まり、満たされました。
最後のデザート。

いよいよ最後の最後、デザートの後の飲み物と小菓子
ハーブティを頼み待っていると。
大きな黒い箱が運ばれてきました。
開けてみて驚き、飲み物に添えられる小菓子って、一つかふたつが常。

まるで焼き菓子の詰め合わせのごとく、たっくさん!
品数の多さに「こんなに!?」って思わず声でちゃった。
スタッフさん、「食べた残りはお部屋へお持ちしますので、明日のチェックアウトまでゆっくり召し上がって下さい」とのこと。
まぁ~なんて、嬉しいお気遣い、幸せ~♡

アルコールも適量、お腹は幸せと感動で満され、3時間半に及ぶディナーも全くその長さを感じず、夢の時間の半分がすでに終わってしまったことに、寂しさを抱えつつ、ベッドに倒れこんで熟睡。