2018 4月 07日

ミルクドクター

毎年、オホーツク管内でもバルク乳の抗菌性物質混入事故が数件発生している。

各農家単位のバルク乳で抗生物質が混入してしまった場合は、当然のことながらバルク全量廃棄。
抗生物質が入ってしまった可能性があると、ローリーの集荷をストップさせて、バルク乳の検査をして結果が陰性であれば、生乳のタンクローリーが集荷に来てもらえるが、陽性であれば自己廃棄。
しかし、抗生物質が入ったことに気づかない場合がある。そんな時は当然、ローリーは数件の酪農家の生乳と積み合わせてタンクいっぱいにして乳業メーカーに運ばれてしまう。
タンクローリーからメーカーの大きなストレージタンク(約200t)に移される前に、タンクローリー毎に抗生物質検査が行われる。この時、ローリーで陽性の結果が出た場合はローリー一台廃棄処分となる。

ローリーが各農家のバルク乳を積み合わせるとき、必ず各農家の生乳がサンプリングがされているので、追跡調査となり、どこの農家の生乳に抗生物質が入っていたかがわかる。

現在の乳価(¥100/kg)で計算すると
農家のバルク乳が3tの出荷だと想定すると、乳代は30万円
万が一、10tのタンクローリーに数軒の農家さんの生乳と積み合わせて10tと仮定すると、ローリー1台100万円となる。

個人のバルク乳廃棄の場合は自己責任で致し方がない。
がしかし、他の農家さんとの積み合わせたタンクローリーで出てしまった場合、この100万円の賠償はどうなるのか?
現在は生乳保険というのに加入しているので、他の農家さんへの補償は保険で補えますが、混入した農家さんは保証されませんので、当然自分の乳代30万円は水の泡。
しかも、ローリー一台の生乳廃棄処分費用などの諸経費は、混入した農家さんが被らなくてはならないとのこと。どのぐらいその費用って掛かるのでしょうね。
何たって生乳は特殊な処分方法を取らないといけない産業廃棄物にあたるので、かなりお高いようです。

どっちにしても手痛い打撃です。

そんな生乳事故を防ぐために、我が家では数年前から「ミルクドクター」という簡易抗生物質検査が出来るキットを利用している。
あくまでも簡易なので、混入の可能性がある場合はJAに連絡して検査を行ってから出荷するというのは基本。

でも、このキットに助けられたことも数回。人は誰でもうっかりミスを犯します。
ましてや、搾乳担当が私の場合は要注意の張り紙が必要です(笑)
過去に数回バルク乳の廃棄事件を起こしている張本人ですからね。

そして、この4月から我がJAでは全戸、生乳集荷日にタンクローリーの運転手が、このミルクドクターで検査を行ってから集荷するように義務付けられた。
このことで、ローリー単位の混入事故は無くなると思われる。


ミルクドクターの検査キット

小さなカップに規定量の生乳を入れ、試薬を挿す。
これを恒温器に入れて待つこと5分

試薬にはっきりくっきり3本の線が出れば、抗生物質陰性となります。

この試薬で判定できる抗生物質はβラクタム系のもの
ペニシリンやセファゾリンなど、現場で多く使用されるのもですが、βラクタム系以外の抗生物質の使用があった場合はこの試薬では判定できないので、要注意ですね。
ですから、使用薬品のポジティブリストの保存は必須です。

生乳事故・・・・あってはいけないこと。

今日も、乳房炎や体調不良で抗生物質を使用している牛がいる。
混入しないように、しっかりマーキングして、確認を怠らずに搾乳に挑まなくてはね。
なんたって、二日分の生乳を搾るのに、餌代、光熱費、諸生産資材、人件費等ぎっしり詰まっているのですから、ドブに捨てられません。
生業の糧ですから。

ハイクオリティーの生乳の全量出荷を今年度も目指して、頑張りましょう!